2025年度ドラマ ドラマレビュー

「明日はもっといい日になる」“イライラ”しながらも見続けてしまう理由

児童相談所や家庭内の虐待──本来なら心が重くなるような深刻なテーマを扱っているにもかかわらず、どこか“爽やか”で“きれいすぎる”印象が残るドラマ『明日はもっといい日になる』。

毎週観てはいるけれど、なんとなくモヤモヤしたり、イライラしてしまったり……そんな感情を抱いているのは私だけではないはずです。

なぜ、このドラマは“良いことをしている”はずなのに、どこか引っかかるのか?

本記事では、その「イライラ」の正体を3つの視点から整理しつつ、SNSでの声も含め、それでも見続けたくなる魅力、そして“割り切って楽しむ”という見方について考えてみたいと思います。

「明日はもっといい日になる」“イライラ”の理由


児童相談所や家庭内の虐待を扱ったドラマ「明日はもっと、いい日になる」のイライラする理由をまとめてみました!

  1. イライラ①:重すぎるテーマが“綺麗すぎる”演出で薄っぺらく
  2. イライラ②:主人公(福原遥)の正義感に違和感
  3. イライラ③:登場人物全員のキャラが薄い
  4. それでも見続けられる理由──“割り切って見る”という選択肢

「明日はもっと、いい日になる」の感想はこちらから👇👇

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イライラ①:重すぎるテーマが“綺麗すぎる”演出で薄っぺらく


児童相談所での職員たちの奮闘や、子どもたちの置かれた過酷な状況。

現実なら心が重く沈むような出来事を描いているはずなのに、本作は全体的に“優しさ”や“希望”を前面に押し出しすぎていて、リアリティが感じられない場面が多くあります。

映像も音楽も演出も、あまりに“綺麗すぎて”ドラマらしさが強調されすぎ、結果として物語が軽く見えてしまうのです。

例えば、物語の中核を担う安西叶夢(千葉惣二朗)と奏夢(小時田咲空)の兄弟。

設定上はかなり過酷な状況に追いやられている兄弟なはずなのに、悲壮感がそこまでない。

痩せている設定なはずなのに、そこまで痩せてない。良く見るとむしろふくよか。(子役の出演なので難しいのかもしれないですね・・)

この二人の兄弟の問題も、綺麗にまとめられてしまうのかと考えるとウンザリしてしまいます・・

イライラ②:主人公(福原遥)の正義感に違和感


福原遥さん演じる主人公・翼は、いつでも真っ直ぐで、子どもたちや職員に対しても職場に対しても「正しいことをする」ことを貫く人物像です。

しかしその正義感が、時に場の空気を無視して突っ走ってしまうように描かれていて、視聴者としては「いや、それは理想論すぎるのでは?」と感じてしまう瞬間も。。

さらに、福原遥さん自身の持つ“かわいらしさ”が、過酷な現場とのギャップを際立たせてしまい、感情移入を妨げている面もあります。

ゆか
ゆか
福原遥さんの可愛さに目がいってしまう・・

イライラ③:登場人物全員のキャラが薄い

脇を固める登場人物たちも、どこかテンプレート的で印象が弱い。

感情を揺さぶられるような人物や、見ていて応援したくなるような深みのあるキャラクターが少なく、ドラマ全体の熱量が今ひとつ伝わってきません。

物語を支える人間関係や背景が薄く、毎回のエピソードもやや表面的な印象を受けます。

唯一、柳葉敏郎さん演じる南野さんが出ているとホッとする・・

ドラマは脇を支える人物の魅力なくして成り立たない!
yuka
yuka

それでも見続けられる理由──“割り切って見る”という選択肢

それでも不思議と、このドラマを見続けてしまう人が多いのも事実です。

重いテーマを扱っていながら、画面から感じるのは“爽やかさ”と“前向きさ”。

もしこの作品がリアリティを追求しすぎていたら、視聴後にどっと疲れてしまうような重苦しさが残っていたかもしれません。

本作は、ある意味で“現実を直視しすぎないこと”を選んだ作品です。

それによって、テーマの深さは削がれたかもしれませんが、その代わりに「明日はもっといい日になる」と信じたくなるような、前向きな気持ちにさせてくれる側面もあります。

つまり、このドラマは“現実をリアルに再現する”ものではなく、“希望を感じさせるファンタジー”として捉えた方が、ストレスを感じずに楽しめる。

そう割り切って見ることで、イライラは少しずつ和らいでいくのではないでしょうか。

SNSでの反応

ゆか
ゆか
最後にSNSの反応も見てみよう!

まとめ

「明日はもっと、いい日になる」のイライラする理由をまとめてみました!

  1. イライラ①:重すぎるテーマが“綺麗すぎる”演出で薄っぺらく
  2. イライラ②:主人公(福原遥)の正義感に違和感
  3. イライラ③:登場人物全員のキャラが薄い
  4. それでも見続けられる理由──“割り切って見る”という選択肢

『明日はもっといい日になる』は、テーマの重さと演出の軽さにギャップがあり、視聴中にイライラを覚えることもあります。

けれども、それは“現実離れした優しさ”がこの作品の魅力でもあるから。深刻なテーマをあえて爽やかに描くことで、「見終わったあとに気持ちが軽くなる」ドラマとして成立しているのです。

リアリティを求めるより、「これはこれでいい」と受け入れてみる。そうすることで、この作品の見え方も変わってくるかもしれません。

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